紫外線を浴びて日焼けをしてしまうと、シミになって肌にダメージを与えてしまいます。ただし、日焼けをした後に正しいケアをすることでシミを改善できる可能性があります。正しい日焼け止めの選び方や塗り方、ケア方法を知り、美肌を保ちましょう。
日焼けがシミの原因になる理由
紫外線を浴びて肌が炎症すると、肌はメラニンという色素を作り出してダメージに備えます。このメラニンが肌に沈着すると、日焼けした黒い肌色の状態になります。この日焼け状態は一時的なもので、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)が起こることでメラニン色素もはがれ落ち通常の肌色に戻ります。ただし、紫外線によるダメージを受け続けると、メラニンの生成が過剰になると共に、加齢によるターンオーバーの乱れも生じて、メラニンがうまく排出されず細胞に溜め込まれてしまうようになります。これがシミのもとになります。
そのため、紫外線を浴びて日焼けをしてからすぐにシミができるというわけではありません。シミの元となるメラニンは、紫外線を浴びてから約3日後に生成が始まり、さらにシミとして肌に現れるまでは数年~数十年と個人差があります。将来の肌を美しく保つために、日頃からしっかりと紫外線対策を行い肌をケアすることが重要です。
日焼け止めの正しい選び方
日焼け止めを選ぶ時に重要なのは、「SPF」や「PA」などの紫外線の予防指標です。「SPF」はシミの原因となるUV-B波をどれだけ予防するかを示し、「PA」はシワやたるみの原因となるUV-A波をどれだけ予防するかを示しています。指数が高ければ高いほど紫外線予防効果は高くなりますが、肌への負担も大きくなる可能性があるので、自分の肌タイプに合ったものを選んだり、部分やシーンによって使い分けたりすると良いでしょう。
また、日焼け止めは「吸収剤」と「散乱剤」の2種類に分類されます。吸収剤は紫外線を吸収し、紫外線エネルギーを熱エネルギーに変えて放出することで肌への悪影響を防ぎます。一方、散乱剤は肌表面で紫外線を乱反射させ、肌への悪影響を防ぎます。肌質によっては負担を与えて肌荒れの原因となる可能性があるため、特徴を知って注意して選びましょう。
日焼け止めの正しい塗り方
日焼け止めは、しっかり効果を発揮するよう体の部位ごとに正しく塗るようにしましょう。また、汗をかくと落ちやすくなるので、屋外にいるときは1~2時間ごとに塗りなおすのがおすすめです。顔への塗り方
日焼け止めを手の平に適量とり、額・両頬・あご・鼻の5点におきます。両頬、額、鼻、口周り、あご、目の周りの順番で丁寧にまんべんなく伸ばします。首への塗り方
日焼け止めを手の平に適量とり、首とえりあしにおき、首の上から下にまんべんなく伸ばして広げます。手・足への塗り方
日焼け止めを線の形で肌の上に直接出し、手の平全体で円を描くように日焼け止めを伸ばして広げます。そのとき、ひじ、ひざ、手足の甲も忘れずに塗るようにしましょう。唇への塗り方
唇は皮膚が薄いため、日焼けをすると乾燥がひどくなってしまう場合があります。唇の日焼け対策には、UVカット効果のあるリップクリームを2~3時間ごとに塗ると良いでしょう。顔・体用の日焼け止めは落ちにくいため、繊細な唇には使用しないように注意してください。日焼けした肌のシミ予防方法
紫外線を浴びて日焼けをした場合は、すぐにスキンケアなどをして予防することが大切です。ここから、具体的な予防方法を紹介します。肌をよく冷やす
日焼けはやけどしているような状態なので、すぐに冷やして炎症を鎮めましょう。流水や氷を当てたり、保冷剤をタオルにくるんで当てたり、ミネラルウォーターをスプレーしたり、濡れタオルを当てたりして肌を冷やします。その際、強く押したりせず肌に負担がかからないよう優しくケアをすることが大切です。痛みやかゆみを感じる場合は抗炎症成分が配合された軟膏や塗り薬を使うとよいでしょう。
保湿をする
日焼けした肌は非常に乾燥した状態なので、化粧水や乳液、クリームなど保湿効果の高いスキンケア用品でしっかり保湿をします。ビタミンCやトラネキサム酸などの成分を含むアイテムを使用するとさらに効果的です。化粧水などをつける際は、優しく丁寧に肌に触れるようにしましょう。肌に痛みやかゆみを感じる場合は、炎症が治まってからスキンケアを行ってください。
美白化粧品でケアをする
肌の炎症が落ち着いたら、医薬部外品の美白化粧品で肌のケアをするのがおすすめです。美白化粧品の有効成分は、ビタミンC誘導体、ハイドロキノン、オゾン化グリセリン(メラノキラー)、アルブチンなど、メラニンが生成される働きに作用するものが多く、メラニンの生成を抑えて新しいシミの予防が期待できます。効果的な栄養素を食事に取り入れる
日焼けによるシミを予防するには、栄養素をバランス良く取り入れた食事を意識することも重要です。それぞれの栄養素は、以下の食べ物に多く含まれています。
- ビタミンA:ブロッコリー・にんじん・小松菜など
- ビタミンC:レモン・赤パプリカ・アセロラ・苺・キウイなど
- ビタミンE:アボカド・かぼちゃ・ピーナッツなど
- カロテン:にんじん/ほうれん草/かぼちゃなどの緑黄色野菜・柑橘類・スイカなど